潰瘍性大腸炎対策メモ友人編

最終情報更新日 2019/9/23

 これは私のとても大切な友人の話です。


■ ステータス

  • 確定時40代前半、女性、虫垂手術経験有り
  • 2010年07月:アサコール2400mg(朝1200mg、夕1200mg)を服薬開始する。数日後には症状が改善し始める。約2週間後には各種症状がおさまる。
  • 2010年08月:寛解を自覚する。
  • 2012年09月:アサコール2000mg(朝1200mg、夕800mg)に減量する。
  • 2015年06月:大腸内視鏡検査のための下剤服用を切っ掛けに、一過性軽症の虚血性腸炎*1 *2 *3 *4 を発症する。原因は特定できないが、アローゼン(センナ配合剤)の副作用あるいは間接的な作用と考えられる。*5
  • 2015年09月:アサコール1600mg(朝1200mg、夕400mg)に減量する。
  • 2015年11月:定期検査でCRP定量0.00値を連続記録する。診察で他の要素も含め判断し、極めて良い状態であることが分かる。
  • 2016年05月:女性ドック(CT検査オプションなど)を受ける。
  • 2016年06月:女性ドックのマンモグラフィーで左胸に石灰化あることが指摘され、同病院の乳腺外科を受診し、集簇性石灰化カテゴリー3と診断される。マンモトームによる生検が必要なため、乳がんであった場合の治療などを考慮し、国立がん研究センター東病院 乳腺外科を紹介してもらう。
  • 2016年07月:大腸内視鏡検査により粘膜治癒レベルの寛解維持を確認する。*7, *8 念のために、ストレスなどの各種要因による再燃予防策として、アサコール2000mg(朝1200mg、夕800mg)に増量する。
  • 2016年08月:東病院での「乳腺超音波」及び「乳腺腫瘍画像ガイド下吸引術」(マンモトーム)検査の結果、乳がんではないことが確定する。
  • 2017年07月:大腸内視鏡検査により粘膜治癒レベルの寛解維持を確認する。*9 S状結腸に2mmの過形成性ポリープが1個見つかるが、特に何か対処する必要もなく経過観察となる。
  • アサコール2000mg(朝1200mg、夕800mg)の服薬継続(自覚副作用なし)、2ヵ月~3ヵ月毎の定期検査・受診継続、寛解を維持。2019年9月現在に至る。

■ 所感

  • 真面目で誠実な人物です。現在の病状は非常に良好で安定しています。普段の食事ではアルコールを一切取らず、再燃しやすそうな食べ物も避けるようにしています。ただし、週に1〜2度は絶対禁忌的な食品を除き好きなものを食べるようにしていますし、月に1〜2度は焼肉のようなややヘビーな料理も楽しんでいます。何かお腹の異変を感じたときには、食事量を減らし安静に過し様子をみるようにしています。お腹の変調は季節の変わり目に発生しやすいです。
  • ほぼ毎日測定しています(体重・血圧・体温・痛み痒みなどの自覚異変症状の有無・便通の有無)。これは特に自覚のない脱水症状の発見に有効です。また、再燃原因の最有力であるウイルス感染(ノロウイルス・インフルエンザ)には普段から注意するようにしています。毎年、インフルエンザワクチンを接種しています。
  • デンタルクリニックで3ヵ月毎にクリーニングを行っています。歯周病対策は免疫系と直結する大切なポイントだと思われます。また、虫歯を無くし良く噛んで食べれることも消化に役立つはずです。
  • すぎ花粉、コナヒョウヒダニ、ハウスダストの3つのアレルゲンにアレルギーがあることが検査で判明しました。特に春先から初夏にかけて体調を崩しやすいことと何か関係があるのかもしれません。マスクなどの花粉対策や床面のウェット清掃などを気にかけ、できるだけアレルゲンを吸い込まないように注意しています。また、ダスキンの水道浄水器、空気清浄機、換気扇フィルターを契約しています。定期的にカートリッジやフィルターが交換されるので安心です。
  • 仕事は最低でも週に1日はきちんと休日をとり体を休めるようにしています。8日以上の連続勤務は避けるようにし、残業がある場合も1〜2時間を超過しないように注意しています。仕事のストレスを軽減するためにはいわゆる「ホウレンソウ」を的確に行うことを心がけ、トラブルを回避し業務が円滑に進むようにしています。当然の事ながら、病気のことで理解や協力を得ることができるよう速やかに上司に相談しています。
  • 推測される発生原因を回避し、悪循環を断つようにしています。●NSAIDsの代表的な薬剤であるイブプロフェン製剤のリングルアイビー(OTC医薬品)を1年以上も常用していましたが、完全に止めて鎮痛剤が必要な場合は病院でアセトアミノフェン製剤のカロナールを処方してもらうことにしました。効き目は弱いですが安全です。●引越しによりリングルアイビー常用の原因となった低周波騒音による耳痛や自律神経の変調を避けることができました。●発生は確定時よりも随分前と推測できますが、確定時まで徐々に悪化した便秘(UC症状も混在)にならないよう注意しています。大腸で同一箇所に滞留させることは炎症悪化や炎症発生の根本原因になると思われるからです。
  • 隔月発行のIBD患者向け専門誌「CCJAPAN」を定期購読しています。病気の勉強になりますし、自分がUC患者であることを再認識し、気を引き締める効果もあるようです。内容で私は学会レポート特集や薬の説明などが有意義だと思うのですが、本人の一番のお気に入りは料理レシピみたいです。
  • 意外と盲点なのですが、直腸炎型の3〜4割程度が盲腸方面の炎症も同時にあるそうで、放置しておくと大腸口側と肛門側の両方面から炎症が拡大する危険性があります。ある文献には17才位までに虫垂を摘出手術していると潰瘍性大腸炎(UC)にならないか、なっても軽度にとどまるというようなものがあった気がします。本人は30代に切除しており、そのことが両方向炎症の阻止や軽症化に何かしら関係してる気がします。虫垂は検査室やセンサーのような役割があり、自己免疫や大腸内のコントロールに何か深く関与しているのかもしれません。
  • 薬との相性は大切だと実感しました。ペンタサは大きく、表面のざらつき感もあり最初から違和感があったと思われます。それに副作用としてお腹に強い痒みがあったので尚更だったのでしょう。ラッキーなことにアサコールがありました。当時認可されたばかりでしたので、認可から1年間は2週間毎に通院し処方してもらう必要がありましたが、効能効果は絶大でした。
  • 粘膜治癒レベルの寛解を維持しており、完治したのではないかと錯覚させられますが、細胞診では潰瘍性大腸炎であることが認められます。つまり限りなく症状が抑えられているという意味なのでしょう。ただ不思議なことに、2015年7月の細胞診結果では「潰瘍性大腸炎であれば寛解期相当ですが、その時期でも見られる潰瘍性大腸炎に特徴的所見(crypt distortion,左側大腸のPaneth cell metaplasiaなど)は認めません。」となりました。粘膜治癒でも非常に良い状態といえます。
  • 経過がかなり良好なこともあり、担当医から服薬の中止を勧められたこともありましたが、特に副作用もないことから最小量を継続することになりました。私の考えでは、「朝3錠夕2錠」から「朝3錠夕1錠」→「朝3錠」→「朝2錠」と毎年1錠ずつ減らして様子をみたかったのですが、「朝3錠夕2錠」の2000mgが薬のガイドラインの限界点のようでした。朝3錠のこだわりについてですが、1日の総量よりも1回の分量がより重要と思うからです。アサコールの場合、寛解導入のために3600mg(朝昼夕に各3錠1200mg)が標準なので、先ず昼分を抜いて様子をみるというのが担当医の当初の判断だったのかもしれませんが、最良の結果となりました。そしてその後、別の担当医からの勧めもあり、2015年9月から「朝3錠夕1錠」に減量することになりました。
  • 2013年初夏頃に病院を通して「寛解潰瘍性大腸炎患者を対象とした1日1回投与法の検討」Z−206第III相臨床試験(治験)の参加の提案もあったのですが、自由意思として見送らせていただきました。
  • 潰瘍性大腸炎というと大腸がんの発症が心配なのですが、「潰瘍性大腸炎腸炎型 軽症」で早期寛解の場合は殆ど発症例をみないという文献を消化器センターで多数のUC患者を治療する専門医のサイトで閲覧したことがあります。*12 大腸がん発症については、ヤクルトの医療関係サイトがわかりやすかったです。ヤクルトは発酵乳ばかりでなく、なんと「エルプラット」という著名な大腸がん用抗がん剤も販売しているのです。大変好感のもてる企業です。
  • 大腸がんの場合、内視鏡やCTやPETなどでいわゆる「目に見える状態」に成長し発見されるまでに10年から20年も経っているとのことです。そして、発見できた状態のステージ0からステージ4までは1年から3年程度の短い期間で凄い速度で進行するようです。だから、潰瘍性大腸炎の患者は推定発症時から10年(確定発症時からなら7年程度か?)を過ぎたら大腸がんに特に注意が必要といわれているのだと思われます。予防のためには、速やかな寛解導入とアサコールなどの5−ASA(5−アミノサルチル酸)製剤を必要最小量で服薬継続することが大事なのではないでしょうか。がんもIBDも克服された未来を心から期待しています。

■ 食事

 「いかに怒った腸を守るか」に限ります。コンプライアンスを重視した薬物療法サプリメントも含めた論理的な食事療法が解決方法となります。食事療法のキーワードは【動物性脂質を排除する】【より多いEPAとより少ないアラキドン酸】です。

 再燃を起しやすい食品はアルコール(禁忌)、唐辛子、牛肉脂、豚肉脂、羊肉脂、鳥皮脂、内臓、トウモロコシ、硬い野菜、木の実、サクランボ、ブドウ、ラズベリー、果物の皮繊維、乾燥果物、イカ・タコ類、貝類(ホタテを除く)、甲殻類(エビ、カニなど)、加工肉(サラミ、ソーセージなど)、牛乳(特に乳糖不耐症の場合)、コーヒー、砂糖、化学調味料グルタミン酸ナトリウム[MSG])、食品添加物(特に増粘多糖類・ゲル化剤のカラギーナン)、炒め物、揚げ物、こげたもの等です。(上記ソースは失念)

 これ以外にもカレーライスやラーメンなどと多くの方が再燃や病状悪化に直結したという食べ物は避けた方が安全だと思います。副作用の関係でペンタサなどの薬を服用できない人が、準ベジタリアンの食事を行うことによって、再燃を最小限に防いでいるという話をよくききます。そうであるならば、服薬しながら注意深い食生活を行うことに大きな意味を感じます。



■ 薬とサプリ

 潰瘍性大腸炎の直腸炎型軽症患者に有効と思われる薬やサプリは、「アサコール錠(医療用医薬品)」「プロマックD錠(医療用医薬品)」「ビオフェルミン配合散(医療用医薬品)」「酸化マグネシウム錠(医療用医薬品)」「新ビオフェルミンS細粒(OTC医薬品)」「新ビオフェルミンS錠 分包品(OTC医薬品)」「ミルミルS」「ヤクルト400(特定保健用食品)」「メイオリゴWシロップ(特定保健用食品)」「スーパービール酵母Z|スーパービール酵母V(栄養補助食品)」「アマニ油&アマニリグナン|アマニ油&DHA(栄養補助食品)」「経口補水液オーエスワンOS−1(特別用途食品個別評価型病者用食品)」等です。 

《1日の服用例》
 朝食後

 昼食後

 夕食後

 便秘時

 脱水時


アサコール錠の成分はペンタサ錠と同じメサラジンですが、大腸に続く回腸付近で溶け始め成分が放出されるようコーティングされています。大腸の炎症を鎮めるためには、血中吸収分からよりもダイレクトにメサラジンが接触した方が効果的だそうです。ですから同量ならば小腸などで半分が吸収されてしまうペンタサよりも4分の1しか吸収されないアサコールの方が効果があるといえます。更に吸収が少ないということは副作用も少ないといえます。

 注意点としては、何らかの理由(大腸内のpH状態や酷い下痢など?)で溶けずに排出される場合があること、一時的にか便秘症になる場合があることです。尚、アサコールは朝昼夕の食後服用とありますが、3回分量を朝夕の2回に分けて1回分量を多く服用した方が効果があるかもしれません(要担当医との相談)。

プロマックD錠の成分はポラプレジンクです。鎮痛薬など他の薬による胃の荒れを予防する目的です。亜鉛含有胃潰瘍治療剤としても期待できます。

酸化マグネシウム(錠)の成分は酸化マグネシウムです。便秘症が酷くなった場合などに利用します。直腸炎型軽症の場合は、下痢症というよりは寧ろ便秘症、あるいは便秘と下痢を交互に繰り返すような症状になるかもしれません。

ビオフェルミン配合散の成分はラクトミン(フェーカリス菌)と糖化菌で主に小腸で働きます。糖化菌はエサの役割をします。培地で培養した場合乳酸菌は10倍程度増殖しますが、乳酸菌と糖化菌を混合すると100倍程度に増殖するそうです。1g中1億の乳酸菌が配合されています。

 新ビオフェルミンS細粒の成分はビフィズス菌(B.ビフィダム・G9−1株)、フェーカリス菌、アシドフィルス菌で大腸と小腸の両方で働きます。1g中合計1億の乳酸菌が等分配合されています。「人には人の乳酸菌」とCMしていますが全ての人がこの乳酸菌を有しているわけではありません。

 ビオフェルミン配合散及び新ビオフェルミンS細粒の1回量は1gですが最大効率は2gのようです。両方を服用するか、新ビオフェルミンS細粒を2g服用するとより効果的かもしれません。また、どれだけ生きて腸に届くかはメーカーでも答えようがないようです。胃の酸性度の低い食後の服用がより多く届ける方法です。

 新ビオフェルミンS錠は大瓶ほど割安になりますが、開封ごと湿気に触れることを考えると、少々割高ですが分包品 45錠(3錠×15)が最良だと感じます。持ち運びにも便利です。

 尚、ビオフェルミンに限らず全ての乳酸菌製剤・飲料にもいえることですが、乳児期から幼児期に腸内菌叢が完結していますから、新たに乳酸菌が腸に長期に定着することはありません。有効期限は摂取時から最大72時間程度です。この間に乳酸菌から作られる酸によって腸内が酸性化し、善玉菌勢力が優勢となります。食物繊維、オリゴ糖、糖化菌など善玉菌のエサとなるプレバイオティクスを摂取することも、腸に定着している善玉菌を増やすために必要です。

ミルミルビフィズス菌(B.ブレーベ・ヤクルト株) はっ酵乳です。潰瘍性大腸炎寛解維持に効果が示されたビフィーネMの後継となりますが、DHAとラクトフェリンが含まれていません。この含まれていない二つの成分がビフィズス菌と相乗効果を出していた可能性も否定できません。尚、研究では乾燥製剤としてのビフィズス菌には効果を認めることができず、はっ酵乳としての形態で効果を認められたそうです。1本あたり100億個のビフィズス菌が配合されています。

 ミルミルSは腸内のビフィズス菌を増殖させるガラクオリゴ糖、食物繊維、コラーゲン、鉄、ビタミンE、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸を含んでいます。ミルミルに含まれるビタミンAは含まれませんがこれは味付けのためが目的のにんじんジュースに由来するものなので機能的にはミルミルSが上位と思われます。ただし、オリゴ糖や食物繊維が含まれるためお腹がゆるくなる場合がありますので、便秘気味の人にはミルミルS、下痢気味の人にはミルミルが適しているかもしれません。

ヤクルト400は乳酸菌 シロタ株(L.カゼイ YIT 9029)乳製品乳酸菌飲料です。1本あたり400億個の乳酸菌が含まれています。 ミルミルが主に大腸に効果的なのに対してヤクルトは主に小腸に効果があります。

 ヤクルト中央研究所の歴史によれば、「2008年 ヤクルト400の飲用により、潰瘍性大腸炎の症状が改善される可能性をパイロット試験で確認」とのことです。

メイオリゴWシロップは腸内のビフィズス菌を適正に増やし、カルシウムとマグネシウムの吸収を促進します。少量ずつ様子を見ながら目安量まで増やしていくと良いでしょう。

スーパービール酵母Vは栄養補助食品として11種のビタミンと4種のミネラルが配合されています。長期的な吸収障害がビタミンやミネラルが欠乏する可能性もありますから日頃から備えておく必要があります。例えば、サラゾピリンのような炎症を沈静化する薬は葉酸吸収を障害するそうです。 含まれる食物繊維やアミノ酸も魅力的です。食物繊維は水分を吸収し膨張し適正な便を形成すると思われます。

 一般市販薬としては同じメーカーのエビオス錠が有名ですが、それよりもバージョンアップしている感じです。また、皮膚や粘膜の健康維持を助ける亜鉛やビタミンB1を強化した、スーパービール酵母Zも選択肢の一つです。

 他にも新ラクトーンAという指定医薬部外品が出ています。成分は乾燥酵母ビフィズス菌ラクトミン(フェカリス菌)・ラクトミン(アシドフィルス菌)・チアミン硝化物(硝酸チアミン)・リボフラビン(ビタミンB2)です。

 ビール酵母について「人の消化酵素では、ビール酵母細胞壁はかたい殻のようなもので消化しにくく、生菌のままでは、細胞内の栄養素が取りこみにくい状態です。熱処理をされた酵母で殻が壊れ、細胞内の成分の消化性、吸収性が高まります。」とも説明にありますので、体の状態によっては注意が必要かもしれません。

アマニ油&アマニリグナンはα−リノレン酸が豊富に含まれるアマニ油に食材からは摂りづらい「リグナン」が凝縮されています。α-リノレン酸は体内でエネルギーになりやすく、必要に応じ体の中で同じn−3系グループのEPA、DHAに作り変えられるそうです。これらの成分が炎症を抑えることに貢献しそうです。にきびができた時は、治るまで中止するか量を減らしてみるといいでしょう。

 アマニ油&DHAは、3種のオメガ3脂肪酸(アマニ由来の「α−リノレン酸」、魚由来の「DHA」、「EPA」)を手軽に摂取できるサプリメントです。オメガ3(n−3系)脂肪酸は体内でつくることのできない必須脂肪酸です。

経口補水液オーエスワンOS−1は軽度から中等度の脱水状態の方の水・電解質を補給・維持するのに適しています。感染性胃腸炎などによる下痢・嘔吐・発熱を伴う脱水状態・熱中症等に適しています。潰瘍性大腸炎患者が感染性胃腸炎になるとかなり大変ですので、念のために10本以上常備してあると安心です。

強ミヤリサン錠について:2015/7-8に少量試用しましたが、腹痛を感じたために服用を中止しています。メーカーからの電話回答によると、「ミヤリサン製薬酪酸菌(宮入菌製剤)は、全てクロストリジウム・ブチリカム MIYAIRI588株であり、単独で潰瘍性大腸炎が治ることはないが、潰瘍性大腸炎の治療薬との併用により改善が期待される。」とのことでした。また、有効性を示す新しい文献*13 も発表されていましたので少し残念ですが、この場合は体質に合う合わないはもっと大切だと思われます。


 他の注意点としては、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs:エヌセィズ)の服用を極力回避することです。中長期の服用が潰瘍性大腸炎の一因という説もあります。NSAIDsはOTC医薬品(旧呼称:一般用医薬品・大衆薬・市販薬)としも鎮痛剤や風邪薬として広く販売されていますから注意が必要です。例えばイブプロフェン配合薬などです。副作用に潰瘍性大腸炎に警告している製品もあるくらいです。効き目は弱いのですがアセトアミノフェン製剤のカロナールなどが、OTC医薬品ならタイレノールなどが良いと思われます。

 正常な便通があることが毎日の目標となります。睡眠不足や過労に注意して、大腸が弱酸性になり病原菌の繁殖を制御するように、食物繊維の含むバランスの良い食事とサプリ摂取を継続することです。


※記事中で紹介した薬やサプリなどを摂取する場合は、人によって合う合わないがあると思いますので、当然のことながら、担当医と良く相談し安全を確かめた上で、注意深く服用されることを強くお勧めします。また、病状が悪化された場合でもその責任を負うことはできませんので予めご了承ください。



潰瘍性大腸炎の推奨書籍

  • 潰瘍性大腸炎患者が本当にききたいこと129のQ&A」(初心者向け)
  • 「消化器Book02 炎症性腸疾患を日常診療で診る」(上級者向け)
  • 「消化器の臨床13巻1号 潰瘍性大腸炎の最新の治療」(上級者向け)
  • 「からだの科学267 大腸の病気のすべて 日比紀文編」(中級者向け)

潰瘍性大腸炎の推奨サイト



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*1:大腸肛門外科医の臨床診断

*2:アルト新橋胃腸肛門クリニック

*3:飯原医院

*4:日本大腸肛門病学会

*5:病理組織診断所見:軽度の慢性炎症を認める大腸粘膜です。虚血性腸炎を示唆する所見は認めません。

*6:消化器内科医の所見:寛解の中でもかなり良い状態です。アサコールの段階的な減量も可能です。 | 病理組織診断所見:軽度の慢性炎症を認める大腸粘膜です。潰瘍性大腸炎であれば寛解期相当ですが、その時期でも見られる潰瘍性大腸炎に特徴的所見(crypt distortion,左側大腸のPaneth cell metaplasiaなど)は認めません。特異的炎症や悪性所見はありません。

*7:間質は浮腫状ですが、炎症性細胞浸潤は目立ちません。陰窩(いんか)の減少、ねじれははっきりせず、胚細胞も保たれていますが、腺底部と粘膜筋板の乖離がみられます。陰窩炎および陰窩膿瘍は認めません。Matts grade 2 相当の像で、UCのremission phase とみて矛盾しない所見と考えます。Dyspiasia は認めません。

*8:炎症性腸疾患の主な症状と診断 - IBDの検査(内視鏡、ERIG)|高野病院

*9:直腸粘膜は、異型の乏しい高円柱状の陰窩上皮に覆われており、腺管は短くやや萎縮性です。腺管の配列は少し乱れていますが、杯細胞の減少や陰窩炎、陰窩膿瘍は認められません。間質にはリンパ球や形質細胞を中心とする炎症細胞の浸潤とリンパ濾胞が見られます。潰瘍性大腸炎寛解期と考えられます。|生検病理所見 1.びまん性炎症細胞浸潤なし、2.びらんなし、3.陰窩膿瘍なし、4.杯細胞の減少または消失なし、5.腺の配列異常あり、6.異形成なし

*10:所見|異常は認められません。寛解状態と思われます。

*11:所見|異常は認められません。寛解状態と思われます。

*12:「累積癌化率は10年で0〜5%、20年で8〜23%、30年で30〜40%と推定されています。」「癌合併率は罹患してから10年間で、全大腸炎型で6.3%、左側大腸炎型で1.0%、直腸炎型ではリスクはないと報告されています。」 | 潰瘍性大腸炎の累積癌化率 東大医学博士による胃腸科肛門科の最新医療ブログ

*13:共同発表:腸内細菌が免疫調節たんぱく質と免疫制御細胞を誘導し腸管免疫の恒常性を保つしくみを解明〜腸炎やアレルギーを抑制できる可能性〜