行列のできる中華屋さんのMSG

 深夜の幹線道路沿いに行列のできている中華屋さんがありました。何か美味しいものでもあるのかと思い入ってみました。お客さんは若者で溢れていましたが、恍惚の表情で食べているのが印象的でした。注目の料理はラーメンとチャーハンのようです。

 私はチャーハンを注文しました。料理を観察するのが好きなので、私のチャーハンが作られるのをじっと見ていると、何か強烈な違和感を覚えました。

 それは、業務用のでかいオタマに、1斗缶から大盛りの白い粉がのせられ、炒め中の中華鍋に投げ込まれたからです。「いったい何なんだ。塩、砂糖ありえない。じゃ小麦粉?ありえない。チャーハン一人前に大量に加える白い粉とは?」

 ほどなく目の前にブツが。そして店長らしき人が満面の愛想で「サービスしておきましたから」と。恐る恐る口に入れると直ぐに判明しました。問題の白い粉は化学調味料グルタミン酸モノナトリウム(MSG:Monosodium Glutamate)でした。

 そう、お客さんはこの化学調味料を食べにきていたのです。ここにひとつの結論があります。食料品や飲食店で売上をぶっちぎりたかったら、大量の化学調味料を使うことです。良心的かどうかとか、良品かどうかとか、品があるとか全く別次元の話です。絶望的ですが現実はそうだからしかたありません。

 メーカーが無添加をうたうことがあっても無アミノ酸等をアピールすることはありません。化学調味料を入れないと売れなくなることが常識だからです。注意深く自炊でもしない限り、化学調味料レスの生活は絶対にムリです。「アミノ酸等」と表示されていない食品を探す方が大変です。塩にも醤油にも時にはお酒にも添加されている場合もあります。

 もちろん私は化学調味料否定派です。理由は二つです。摂取すると気持ち悪くなる場合や舌が痺れる場合もあること。何を食べても同一系の味になってしまい、食べることがつまらなくなるからです。私は臭いに敏感で、きれいな水と化学調味料レスの環境で育ったので特別かもしれません。