五輪野球論

 五輪野球日本代表(通称星野ジャパン)の戦いは、選手個々のプレーに一喜一憂はしても、前回WBCのような心揺さぶる大きな感動はなかったです。それはチームとしてのドラマが全くなかったからだと思います。特に一致団結したときに輝くスポーツマンの機能美に欠けていました。

 醜さは帰国後の星野氏語録にも顕著にあらわれ、本人は気づいていないでしょうが、一部の野球ファンとっては致命的なダメージとなりました。このような不可解な感覚は過去にもありました。トルシエ解任以降の川渕チェアマンの言動に対してであり、安倍晋三氏が首相を投げ出したにもかかわらず政治家を辞めなかった時ことです。

 星野監督は、責任は全て自分にあると定義しておきながら、それに続く発言は自責点ではないという内容だったと思います。もはや理想の上司ではなく信頼できない上司に映りました。

 本筋は、【 謝罪>>WBC監督固辞を表明>>今後は代表強化のための野球機構改革を裏方で支えることを表明し行動する 】こうあるべきでした。そうすればこれほど多くの批判に晒されることもなかったでしょう。

 嫌な気分に沈んでる中、最高にスッキリする意見が二宮氏により発表されました。ファンの無念さを見事に代弁してくれています。ですが残念なことに、極めて正論であるが故にWBC監督選考では無視されてしまうことでしょう。広告代理店の論理がTVメディアや野球機構にも働いているからです。

二宮清純「唯我独論」(水曜日更新) : 第345回 WBCは新体制で臨むべき
・・・ 韓国、キューバ、米国、すなわち表彰台に上がった3カ国に対しては0勝5敗。力負けと言わざるをえない。 ・・・ これで代表監督が責任をとらなかったら、いったい誰がとるのか。コーチ陣の首をすげかえて済む話ではない。来春のWBCは新体制で臨むべきだ。 ・・・