ジンギスカンの食べ方

 ジンギスカンの食べ方を述べたいと思うのですが、実はかなり奥が深くまだ発展途上です。


 先ず、肉の種類を3群に分類します。
 第1群 生肉(生ラム・生マトン):肩ロース ラムカルビ ラムチャンプ ラムチョップ ラムバラ肉など
 第2群 冷凍肉:マトンロール ラムロールなど
 第3群 味付肉:松尾ジンギスカンなど


 次に、焼く道具を4群に分類します。
 第1群 炭火七輪と穴あき鍋(ジンギスカン鍋にスリットがあるもの):火が消えやすくなるので、七輪で穴無し鍋は通常使用しない。
 第2群 ガスと穴無し鍋(卓上ガスなどと穴無しジンギスカン鍋)
 第3群 炭火七輪と網
 第4群 ガスとプレート(鉄板や水晶プレートなど)


 そして主な野菜焼きを5群に分類します。
 第1群 長ネギ 玉ネギ
 第2群 もやし
 第3群 きのこ なす じゃがいも かぼちゃ
 第4群 キャベツ アスパラ ニンニクの芽
 第5群 白菜



 では、食べ方の解説です(未完ですが)。

 1.生肉を食べる場合は、普通の焼肉屋さんでの食べ方で良いと思われます。わざわざジンギスカン鍋を使う理由がわかりません。と大胆発言をしてみます。それは多くの著名ジンギスカン店で、炭火七輪と穴あきジンギスカン鍋の組み合わせで提供しているからです。

 一見、炭火七輪と穴あきジンギスカン鍋の組み合わせは魅力的に映るのですが、欠点が多いのです。溶け出した脂が炭に落ち、煙が大量に発生します。これが穴から噴出し、肉に付着し味を台無しにしてしまいます。ヤキトリやウナギの蒲焼で、よくウチワで扇いでいるのは煙が付着しないようにするためのものです(逆をいく宮崎地鶏の焼き方は衝撃的です)。

 また、ドーム型のジンギスカン鍋、特に穴あき鍋は焼く際の取り扱いが大変難しいものです。油断すると直ぐに焦げ付いてしまいます。*1一旦焦げ付くとその上でどんなに良いお肉を焼いても不味くなってしまいます。これは、網と異なり炭火全体が見渡せないために、火加減がよくわからないからだと思います。頂上の温度、側面の温度や淵の温度も均一化しないからです。そして穴あき鍋の場合は、油も落ちるために、接着面に対し不十分になってしまいがちです。

 以上の事から、穴あき鍋で食べるなら、やや設備の整った焼肉店にあるような、ガスであっても炭火であっても排煙や焼くノウハウの適合した設備で食べたほうが良いように思えます。もちろん穴あき鍋であっても、焼くテクニックが高度にあれば問題ないでしょう。

 ところで、穴無し鍋で焼く場合は意味があります。溶け出した羊脂で野菜を炒めることになり、肉汁の美味しさも加味されることになるからです。炭火網焼きも排煙さえしっかりとしていれば良いと思われます。角氷で燃え盛る火を消しながら調整すると良いでしょう。焦げた網も気軽に交換依頼できます。水晶プレートは厚切り肉を焼くのに最高です。オーブンのように火を通すことも可能です。尚、水晶プレートを利用する場合には、最初に脂をしっかり多めに溶かし中央に配置しておくと焦げません。また、淵が浅いのでクッキングペーパーで余分な肉汁や油を取り除く必要があります。


 2.冷凍ロール肉を食べる場合は、ガスと穴無し鍋できまりです。強火で熱し鍋が十分に熱を帯びたら、一旦弱火にして、できれば羊脂(なければ牛脂か豚の背脂)を満遍なく塗りこみます。その時の煙の出具合で火加減を調整します。あまり出ないようなら中火にします。脂が焦げたら新しい脂とかえて鍋のテッペンに置いておきます。

 中火にしてから、冷凍ロール肉を満遍なく敷き詰め焼きます。この時、肉が焼けてるのではなく、煮えてるようなら不味くなりますので強火にします。煙が多く立つようなら中火から弱火に落とします。この頻繁に行う火加減の調整が美味しさの命ですね。炭火では不可能です。お肉の淵が少し焦げ色(焦げ付いてはいけない)になったら、ひっくりかえします。ただし、一回勝負です。なんども返していたり、押し付けたりすると必ず焦げ付いてしまいます。理想の焼き方はひっくり返したときに、焼いた面から脂が染み出ているような状態です。裏面も程よく焼いたらタレにつけて食べます。直後のビールかご飯も美味しいです。

 もう一つの焼くコツとしては、鍋に隙間を置かないことです。できるだけ肉を敷き詰めるようにしましょう。たぶんですが、鍋の温度を均一化する目的だと思います。2回、3回と肉を焼くと鍋の淵に油や肉汁がたまります。温度が低いと水分が多くなりますので、できるだけ、高温で水分をとばし、油が多く出るほうが都合が良いです。鍋淵の油で野菜を揚げ焼きのようにすると焼き野菜がより一層美味しくなります。念のためにもう一度言いますが、低温で野菜や肉を焼くと下手すると肉野菜炒めになってしまいます。もはやそれは焼肉ではありません。


 3.味付肉についてですが、私も経験が浅く想像の範囲ですが、味付肉の代表格である「松尾ジンギスカン」のおいしい食べ方ビデオクリップを見る限りにおいては、ガスと穴無し鍋の組み合わせが適しているように思えます。野菜も同時に焼き、タレの旨味を生かす特長もあります。

 このビデオクリップは、松尾ジンギスカン直営サイト ジンギスカンファクトリー マツジンのサイトで見れます。 


 4.脂の多い肉と少ない肉
 脂の少ないロースなどの赤身肉は、焼きすぎずにパサつかないように注意します。また、脂の中からやや大目のショルダーやカルビは、脂を溶け出さすような感じで強めに焼くと良いです。結局のところお好みですから色々と試すことが肝心だと思います。


 5.野菜焼き
 羊肉を食べにいくのだから、野菜などなくても構いません。とまず前提を。多くの店で巨大な山盛りのもやしが出てくるのですが、いったい何の文化なのでしょう。敢えてもやしはなくとも困りません(笑)。ジンギスカンと一緒に焼く野菜焼きとは、季節の野菜やきのこ類などなんでもOKなんだと思われます。

 北海道の有名店「だるま」では、玉ねぎと長ネギだそうです。これは納得できることです。穴あき鍋と炭火で野菜を焼いた場合に、つまり炭火で単に焼いておいしい野菜はこの二つだと思うからです。

 もやし文化、これはもしかしたら味付肉ジンギスカンで多く見られるものを一般化しているのかもしれません。味付肉のタレの旨味などが染み込めば確かにおいしそうですが、もやし単体で炭火でやいてもおいしいとは思えません(大反論がありそうですが)。*2

 なす程便利な野菜はありません。それは、鍋の淵に油がたまり、一発触発今正に跳ねまくる寸前でも吸い取ってくれて、しかもなす自体もおいしく焼きあがるからです。高温で焼く場合には、キャベツなどの防御野菜を常に意識しましょう。場合によっては目に飛んでくることもあり危険ですから。

 白菜。溶け出した羊脂で揚げるように焼くと本当においしくなります。低温での調理や柔らかい葉っぱの部分はおいしくありません。真ん中から根元3センチ上までの部分を鍋淵幅程度の大きさに切ったものがベストです。ただし、白菜焼きを出すお店は少なく、私が食べれたのは青砥のラムレストラン ジンギスカンさんだけでした。このお店のジンギスカンは冷凍ラムロール肉を穴無し鍋で調理するから白菜も可能なんです。


 6.タレ
 タレ論争が勃発するくらいに、各々の個性が問われるジンギスカンの重要な要素です。オリジナルタレの他に、別料金で構わないからメジャーな既製タレを数種類メニュー化して欲しいものです。また、2種類位の岩塩とブラックペッパーなど、そして当日摩り下ろしたニンニクと一味唐辛子などの香辛料もあって欲しいものです。腐らないからといって、継ぎ足し継ぎ足しのニンニクおろしなどは食べたくもありません。そういえば回転寿司のガリや牛丼屋の紅生姜も嫌ですよね。底のものは一体いつからあるのか不気味です。


 7.その他
 多くのジンギスカン店は消臭にファブリーズをお客様へ勧めたり、店内に散布することが多いのですが、ファブリーズ自体のにおいがきついので、料理(良いラム肉のかおり)を台無しにしてしまいます。そこで、リセッシュEX無香料タイプを使うと良いと思われます。それはにおい切れが早いからです。同様に香水類も厳禁です。

 他に、できるだけ大きな紙エプロン*3と服や鞄を入れるためのポリ袋があれば喜ばれると思います。紙エプロンについては、まだ見たことありませんが、服全体を覆うことのできるものがあれば尚更良いですね。私のアイディア*4ですが、未使用の新聞紙にハサミをいれ、頭からかぶれるようにしたらどうかとも考えています。ポリ袋は使い回しではなく毎回新しいものにします。紙エプロンとポリ袋は、お客様が使用するかどうかに関係なく、着席時に出すと良いです。


 さて、私の現時点でのナンバー1ジンギスカン専門店を紹介します。

 そして私の大好物はLマトンです。あーお腹すいたー。*5


 最後に、東京ジンギスカン倶楽部を紹介させていただきます。この倶楽部のモットーは『みんなで充実したジンギスライフ(笑)を送ろうではありませんか。』です。
http://www.to-jin.com/

*1:どのお店でも同じなのですが、どうしても後半はジンギスカン鍋の焦げが目だってきます(特に色々な部位を焼いたり、やけ癖のある鍋)。1ジン1鍋の原則上、恥ずかしいのでいつも我慢して食べていたのですが、ジンギスカン 霧島 神田店(神田店は閉店)ではなんと200円で鍋チェンジすることができました。「ジンギスカンでの鍋チェンジは恥ずべき、みっともない行為である」と断言するジンギスカン屋さんがある中、本当に嬉しいサービスです。

*2:ジンギスカン 霧島 神田店の細身もやしは例外です。凄まじく美味しいです。

*3:大きな使い捨てエプロンを偶然歯医者さんで発見しました。ただし、色がブルーなので食欲減退が懸念されます。

*4:新聞紙エプロンは、既に英字新聞用いて実用化されているお店がありました。また、北海道の宅ジン(家でのジンギスカン)では普通に利用されている家もあったようです。

*5:smdjnさんのグルメガイド