ファミレストーク

 セールスマネジャーは、言葉遣いに敏感であるべきです。「使い」だけではなく「遣い」にもです。そして、部下のセールストークをシミュレーションと現場でチェック指導することです。

 ファミレスでの接客トークです。問題はどこでしょうか?『いらっしゃいませ。お一人様でいらっしゃいますか?こちらのお席にどうぞ。』

 一見良さそうなのですが、ファミレスという状況を考えると、このままではトラブルを抱える危険性があります。ファミレスは席が密集していますし、ラーメン店や牛丼店のように短時間の滞在でもありません。また居酒屋のように大量に飲酒しているわけでもありません。従って思ったよりも周りの人たちが気になるのです。

 ファミレスでありがちな迷惑な人たちは、「香水」「子供」「加齢臭」「タバコの煙と臭い」などです。そういう人達が隣の席にいたり来たりしたら、その怒りの矛先は本人の他にも案内したスタッフにも向けられます。客の同意なしに席を決定したにもかかわらず、その後の状況変化に責任をもたないからです。

 ×『こちらのお席にどうぞ』
 ○『こちらのお席はいかがでしょうか?』
 ◎『お好きな席にどうぞ』

 接客業でそれなりの経歴の持ち主が、ファミレスでは気が抜けてるのでしょうか(たぶんなめているのでしょう)、ミスを連発しています。一番大きなミスは思い込みで、エゴな接客を客に押しつける傾向があります。もっともお客のほうも気がついていない場合も多いようです。どのファミレスでもマニュアルがあるでしょうから、スタッフ全員できちんと共有していることを確認すべきです。ローテーションに追われる中、どうのように接客シミュレーションを行うかも大切です。

 そうすれば、料理を持ちながら新規客を誘導したり、配膳した料理をまたいで大声でつばを飛ばしながら『ご注文は以上でよろしいでしょうか』などと決して行わないでしょう。また、10メートルも手前から新規客に対して『おタバコをお吸いになりますか?』と大声で訊いたり、ホール内でナイフセットを大騒音で急いで行うことが、いかに恥ずべき行為なのかを理解できるでしょう。昔のファミレスはもっとできていたと思うのですが、最近は教育コストも大幅カットしているんでしょうか。